日本料理ビギナーさんなら、なかひがしを知らない方もおられるかもしれません。
草喰は、「そうじき」と読みます。
京都大学のかなり東、銀閣寺近くの道の脇にあるこの店は、こんな風に慎ましい佇まいです(店名が光で飛んでしまってますが ^^;)。
お店のご主人のご実家は、摘み草料理で知られる美山荘。
どこかのサイトで、「『ご馳走する』とは、本来、苦労して駆け回って(走って)美味しいものを取り揃え、心を尽くしてもてなすことだ」と書いてあるのを読みましたが、こちらのお店は、まさにそれを地で行く店です。
ご主人自らが、毎日かそのくらいの頻度で山野に分け入り、それを確かな技術でもって素晴らしく変換して、お皿の上で「季節」の幸として昇華させ存分に味わわせて下さる・・・そのありがたみを突出して感じることが出来るから、ファンは絶える事が無く、「京都一予約の取れない店」などと言われるのでしょう。
今回は、「1人で、いつでもいいので昼!」というゆるい条件でこそでしたが、10日ほど前に予約できました。
前置きはこのくらいにして、百聞は一見にしかず。
八寸。右下から時計回りに。
殻つきの栗の上に潰し銀杏、きぬかつぎ(きぬかつぎについてはここでも取り上げました♪)に山の蜂蜜に漬けた赤い山椒の実、秋刀魚に胡桃を抱かせて燻製焼きにしたもの、黒皮茸の揚げたものに戻り鰹の炊いたの。つぼつぼの中身は柿の黄な粉酢和え。黄色い細長い花はみょうがの花。そしてその下には笹の葉にくるまれたお寿司、そして真ん中の、黒ゴマのついたえんどうの大きなのは・・・うう忘れました。お寿司も何のお寿司だったっけ・・・。
1つ1つ説明してくれるのですが、こんなに華やかな八寸、憶えきれません!(笑)
赤ずいきとさつまいもとその葉のお椀。白味噌仕立てです。体がほかほかとしてきます・・・。
思い返すに、京都で初めて、白味噌の椀の美味しさをしみじみと感じたのは、こちらででした。

「秋の 収穫祭」は、笹で包まれた子持ち鮎。味噌幽庵漬け(味噌としょうゆ、酒、みりんに2日漬けたもの)を焼いたものだそうです。自然の椎茸に揚げ蓮根、黄身の粕漬け、紐唐辛子、そしてみかんのようなものは「海柑」(かいかん)。みかんとスダチのあいの子で、産地はやはり、スダチ王国の徳島だそうです。
この鮎の子の量といったら。身の少なさから、鮎の母の思いのようなものとともにありがたく戴きました。
はっ。こんな調子では激長い日記になってしまう!
さらりと行きます。
鯉の糸作り、手前の白いのは、生姜のムース。坂本菊、枝豆、菊菜など。お醤油をかけ、混ぜていただきます。
店の中央には、おくどさん(京都の、ご飯を炊くかまどのこと)がありますが、さっきからぐつぐつと白い湯気が・・・。
ここで、煮えばなのご飯(お米がご飯に変わる瞬間の、アルデンテのもの)をひと口出してくださいます。早く食べなきゃ!
炊き合わせは、蓮根のすりおろしたのを揚げたもの、5種類のキノコ、生の子蕪、金時人参、小豆など。キノコの香りが素晴らしく。
みょうがと、また出たこのBIGエンドウ・・・何だったかしら・・・(涙)味噌和えですが、シャクシャクとしみじみ美味しい食感。


炊き立てのご飯と、小鉢3種(葉唐辛子の炊いたの、万願寺唐辛子の炊いたの、そして香の物も盛り合わせ)、メザシ。このメザシのおなかがトロリとしていて本当に美味しい!
ご飯はいくらでもお代わりを聞いて下さいますが、今日はもうおなかいっぱい。軽くおこげを戴きました。
デザートは、小さく角切りにした梨とそのシャーベット、みかんのゼリーに「山でほったらかしにされた葡萄」(笑)が2粒。ひんやりして美味しいこと。。。
最後に、ほおずきトマトを戴きました。ええ、最後の最後の写真ですが、気がついたときは外側だけになってました・・・(^^;)
以上のお料理が5250円。驚きです。ありがたいことです。。。
久々に訪れた今回ですが、ご主人が時々ぽつぽつというダジャレに磨きがかかっていたような・・・。
1つ出るたびに、「おお!また珠玉の一言が!」とひそかに喜んでいた私。
山歩きの際、はたまた仕込みのときにネタを考え、思いつく度に「あ、これイイ・・・」とほくそ笑んでおられるのかと思うと、失礼ですが何だか可愛くて笑えます!
京都に限らず常連客と一見とでは対応が違うというお店があるのは事実です。
でも、京都で、しかも超予約困難にもかかわらず、こちらではご主人のおもてなしの気持ちが分け隔てなく温かく伝わってきます。
当たり前のことかもしれませんが、それがあちこちで特記されるのはやはりこの店がそれを高く意識して志しているからこそのことでしょう。
今日の京都は素晴らしいお天気。
こんなに美しい鴨川の風景も、美味しいご飯をいただいて嬉しい気持ちを、ますます満ち足りたものにしてくれました。
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